みなさんこんにちわ。島田市のあゆみ薬局です。

前回は「気温と血圧の関係性」と「降圧剤について」のお話をさせていただきました。

今日は、年齢と高血圧の関係性と日常生活で気をつけたいポイントについてお話させていただきます。

●年齢と高血圧の関係性

さて、みなさんも感じたことがあるかと思いますが、年齢を重ねるごとに高血圧の方が増えていく印象ってありませんか?

テレビでも「芸能人の健康チェック」というくくりで、芸能人の健康状態がピックアップされることも少なくありません。サンドウィッチマンの伊達さんの血圧は200を超えているという話はけっこう有名ですよね(笑)

20代、30代の健康診断では特に気にすることもないチェック項目かと思いますが、40代以降になりますと高血圧の患者が多くなっています。

だいぶ古い資料にはなりますが、厚生労働省の『第5次循環器疾患基礎調査(2002年)』では以下のような調査結果が出ています。

・30代男性23.1% 女性 7.6%

・40代男性40.4% 女性20.8%

・50代男性51.3% 女性40.9%

・60代男性60.4% 女性56.7%

・70代男性68.9% 女性64.9%

調査対象人数8,369人 男性3,854人 女性4,515人

特に高齢者の高血圧は「高齢だから仕方がない」と放置したり、日常のちょっとした注意を知らずにいると脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こす例は少なくありません。

●高齢になるとなぜ血圧が高くなるのか?

では、なぜ高齢になるにつれて血圧が高くなっていくのでしょうか?血圧が高くなるのは、老化によって血管の弾力性が低下し、血液の流れが悪くなるためです。また、自律神経の働きも低下し、血管の収縮や拡張がうまくできなくなることも、原因のひとつです
高齢者の場合、最高血圧が少し高めでも、ほかの合併症(糖尿病、腎臓病、高脂血症など)がなければ、病院では薬による治療はすぐに行わず、生活指導を優先するケースも見られます。薬が効きにくかったり、反対に薬で急激に血圧が下がると、危険な場合があるためです。
しかし、油断していると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などを起こすことがあります。血圧が高めだとわかったら、食事や運動などについて医師の生活指導をよく守り、動脈硬化になるリスクを少しでも減らすようにしましょう。

●日常で気をつけたいこと

脱水症状に気を付ける

高齢になるほど、のどの渇きに気づきにくくなります。のどの渇きとは関係なく、1~2時間おきにお茶や水などをとる習慣をつけましょう。
睡眠中も少しずつ汗をかくので、朝起きた時にはからだは水分不足状態です。高血圧の人は、夜寝る前や朝起きた時に水分をとるように心がけてください。

ゆっくり行動し、ストレスを避ける

急激な動きは高血圧の高齢者には禁物です。とくに血圧が上がり始めている朝は、ゆっくり行動することが大切です。起床後に血圧を測定する場合は、トイレを済ませてから食事前に安静の状態で測定します。その後、ゆっくり手足を伸ばしたり、体をほぐしたりして、日常生活の準備をしましょう。
また、ストレスも血圧を上げる原因です。怒ったり、イライラしたりすると血圧が急上昇し、脳卒中などの原因となります。日ごろからできるだけ平穏な気持ちで生活することを心がけましょう。イライラしたときには好きなテレビ番組を見るなど、意識的に気分転換をしましょう。

塩分の取りすぎに注意する

1日の塩分摂取量はここ10年でだいぶ変わりました。『日本人の食事摂取基準』という厚生労働省が5年ごとに数値は更新する資料があるのですが、2010年では男性9g未満。女性7.5g未満。2015年では男性8g未満。女性7g未満。そして2020年では男性7.5g未満。女性6.5g未満となります。

2020年版では若い年代からの生活習慣病(高血圧・慢性腎臓病)の発症予防を推進するため、成人男女の1日あたりの食塩摂取の目標量を引き下げています。ただし高齢者は、極端な減塩がエネルギーやタンパク質など多くの栄養素の摂取量低下を招く可能性もありますので、柔軟な対応が必要です。

減塩のコツとしては、汁物はだしをしっかり取ると調味料が少なくすみます。味付けには、香辛料やハーブ、かんきつ類を上手に利用することが挙げられます。また、味噌汁は1日1杯にし、麺類の汁に塩分を多く含むためできるだけラーメンのスープなどは残しましょう。塩分の多いインスタント食品、加工食品は避けることも減塩に繋がります。

以下、料理と調味料の塩分表になりますので、参考にしてみてください。